以前、ネット名誉毀損と文脈の重要性についての記事を掲載致しましたが、実は、ネットの名誉毀損・侮辱の問題には他にも難解な問題があります。

それはどこまで許されるのか、というのがそもそもはっきりしていないということです。

最近侮辱罪の厳罰化の関係で法律雑誌で侮辱罪や侮辱表現に関する特集がよく組まれます。私も買って目を通すのですが、やはりボーダーラインをしっかり示せないことがよく触れられています。

どうやら侮辱については、判例上、社会通念上許容される表現を逸脱した場合に初めて不法行為となるという判断がされていますが、どこまで許されるかは明確でなく、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会のガイドラインはどこまでが侮辱かの一般的判断基準の提示は困難であるとしています。

多くの方が、自分がしてしまった批判や非難が不法行為や犯罪になるか心配になっていて、法律相談サイトによく相談が寄せられる反面、これに対しバシッと明確な回答がしづらいのは、かかる事情があります。もどかしいですが、御理解いただくより他ありません。