今回違う用語を取り上げる予定だったんですが、SNSで話題になっていたので取り上げようと思います。確かに紛らわしい用語だな、と思いました。「非弁提携」です。SNSで、ネットの削除・開示請求サービスを、弁護士と提携して行います!と弁護士でない方がPRしていたんですね。それは多くの弁護士が「非弁提携」だと指摘したところ、「弁護士と提携しているのに、なんで「非弁提携」なんだ」と反論されている様子が見られました。やっぱり法律用語は難しいよなあ、と思った次第です。

「非弁提携」とは一般に、弁護士が、非弁護士と弁護士法等の規制に違反する許されない提携をすることをいいます。弁護士でない人が、弁護士業務を行ったり、行いますと標示・標ぼうしてはならないこととなっています(弁護士法72条~74条)が、弁護士法はそういう人から弁護士が事件を周旋(≒仲介、仲立ち)してもらってはいけない(弁護士法27条)と帰省しています。この弁護士法27条違反が非弁提携と言われることが多いのですが、上記のネットの削除・開示請求サービスは、これらの法令に違反する恐れが高い、仮に正規の弁護士と提携していても、その弁護士は27条違反(≒非弁提携)にあたり、弁護士と提携した弁護士じゃない方は弁護士法72条~74条のどれかに違反してしまう、という可能性が高いわけですね。「非弁提携」は、弁護士が弁護士じゃない人と提携してしまうから「非弁提携」というので、あって、正規の弁護士と提携しても「非弁提携」になってしまうことがあるのですね。

 この件、用語自体もややこしいのですが、実は何をどこまですると非弁提携か、その境界もあいまいでややこしく、取締も困難です。少し前は債務整理や過払い金回収で問題になっていましたが、最近は国際ロマンス詐欺被害救済をうたう弁護士の中に非弁提携をしてしまっている弁護士が多いのではないかと言われています(東京弁護士会が注意喚起を行うに至りましたhttps://www.toben.or.jp/know/iinkai/hibenteikei/news/post_7.html)皆様もお気を付けください。

こういう非弁・非弁提携弁護士の特徴は、ネットなどで広く広告し、広告では甘いことを言って、実際はちゃんと処理してくれないところにあります。個人的には、どの弁護士がちゃんとやってくれるか、素人の方は見極めが難しいと思うので、できれば弁護士はなるべく地元の信頼できる弁護士に依頼して頂きたい、と思うところです。当事務所であれば私としては嬉しいですが・・・