カン違いしやすい法律用語というより、カン違いしやすい手続というべきなのかもしれませんが、「調停成立」というのも誤解しやすいです。先に結論を申し上げると、調停は申立する方もされる方も、なるべく弁護士を代理人に立てたほうがいいと思います。なるべく当事務所をお願いしたいですが、そうでなくてもだれか信頼できる弁護士を。

 調停は、紛争について裁判所が選んだ調停委員が当事者間を仲介し、その紛争を解決する手続をいいます。統計を把握できていませんが、離婚調停や遺産分割調停が多いかと思いますが、民事の紛争でも用いられます。訴訟などと違い、申立書の記載が厳密に要求されなかったり書式通り書けばOKだったりするため、割と弁護士を頼まずされることも多い手続です。

 しかし、弁護士を頼まずに自分でするとリスクが多い手続ではあります。まず、話し合いの手続という建前なので、調停委員は片方ずつの言い分を聞くのですが、片方が全く人の話を聞かない当事者だと、調停委員の多くは話の分かる方を強引に説得にかかることが多いのです。だから弁護士を頼まないと、優しい人ほど馬鹿を見る手続になってしまっています。少なくとも私の観測範囲では。強く出るべきか妥協するべきか、その匙加減と判断が、プロでないと難しいのです。

 それから、「調停成立」の場面、これは合意が成立して調停手続きが終了する場面を指しますが、ここもカン違いしている人が多い。最後に裁判官が出てきて調停条項を読み上げて、双方に確認して、これでいいですか?と聞いていいですとなったら、調停手続きは終わります。ここを勘違いしている方が多く、あとで条約の締結のように何らかの書面にサインや押印をする手続があるとカン違いしている人も多いのです。だからぼんやりしていると気が付いたら調停は終わっていた、ということもあります。弁護士が居ればそこも条項に漏れがないかとかおかしいところないか確認するため、必死で調停条項の聞き取りをするし、できるのですが・・・

 

というわけで調停は、費用はかかってしまいますが、数々のトラップがあるので、ぜひ弁護士を依頼されることをお勧めします。