法律用語では、法律上の権利義務の主体たる資格のことを「権利能力」といいます。これが法律学を勉強して違和感を持つネーミングでした。「権利能力」は自然人、すなわち人間には備えているものとされ、法律上も一定の要件を備えた団体は特別法により権利能力を有することがあります(たとえば会社法上の会社など)。

かつては、法律上未整備なところもあって、ある程度の実態を持ちつつ、特別法上の法人格を有しない団体を、権利能力を付与すべきかどうかが学説上議論になったりしました。今は中間法人法などの特別法が整備されているので、あまり議論にならなくなりましたが。

 

「権利能力」というネーミング、上の定義から分かるように資格なんですよね。だから能力が高いとか低いとか言わない。学説上、なんで「能力」なんだろう。なんで「権利資格」とかにしないんだろうとずっと疑問に思っていました。

まあ、法律用語はそんな不思議な語義ばかりですけどね。法廷に持ち込まれる法律問題に対処するために、ネーミングの綺麗さなどこだわっていられなかった時代の名残なのかもしれません。