法律用語で「主義」がつくものがいくつかあります。刑法の罪刑法定主義、民事訴訟法の処分権主義、弁論主義などです。

これも誤解を招きやすいネーミングで、SNSなどを見ていると素人の人が誤解しているケースを散見します。

通常、「主義」というのは、思想上の立場とか、意見・主張を指します。資本主義とか共産主義とか。法律用語でも憲法の平和主義・立憲主義はこちらの意味に近いように思います。

ただ法律用語では、原則と同じ意味で使われることがあります。特別な例外を除いて適用される原則を指すことがあります。

たとえば刑法の罪刑法定主義は、現行法を貫く大原則とされています。そういう意見や主張があるよね、というレベルのものではありません。民事訴訟法の処分権主義、弁論主義などもそうです。いまだに、なぜ「主義」という語法を用いてしまうのか、今の私には分かりません。特に罪刑法定主義は人権保障の見地から重要な原則なので、あんまり変な誤解を招いてほしくないのですが。