農業法の勉強をしていると、やはり今行われている食料・農業・農村基本法の改正作業に触れている資料が多いです。食料・農業・農村基本法は農政の基本理念や政策の方向性を示す法律で、制定が平成11年ですから、そろそろ改正というのは自然な話かと思います。この法律、「基本法」なんで、現場の方々や我々弁護士にとっては直接かかわることは少なく、この「基本法」に従って改正や制定される個々の法律の方が重要なことが多いですが。

 

ただ、改正に触れている資料を見ると、「食料安全保障」に強い危機感がにじみ出ていることを感じるのです。日本が食料自給率が低く、離農や農村過疎が社会問題になっているのはずっと以前からなので、改めて食料自給率や農村の活性化、農業の合理化とは別に「食料安全保障」という概念を持ち出して強く推進するのには違和感を感じるのです。

軍事は専門外なので分かりませんが、ウクライナとロシアの戦争が起こり、中国・台湾情勢に緊張が走っている現状、やはり中国との戦争に強い危機感を政府が感じている表れなのでしょうか。