今の日本では、輸出しちゃいけないもの、輸入しちゃいけないものがいろいろ細かく決まっています。その法令は多岐にわたりますが、その中心が「外為法」です。北朝鮮に兵器転用可能な物品を輸出したりして、逮捕されるニュースでたまに名前が出てきます。最近は大川原工機事件という悲しい冤罪事件が起きてしまいましたが・・・

 

私は個人的には輸出入を禁止する法律がなぜ「外為法」という名前なのかが分かりませんでした。読み方も分かりませんでした(「がいためほう」と読みます)。

 

なぜ「外為法」というのかというと、正式名称は「外国為替及び外国貿易法」でして、略して「外為法」なんです。現在重要なのは貿易の規制なのですが、そこはまるっと略されて「外為法」と呼ばれています。

歴史を振り返ると、先に規制対象になったのは貿易ではなく為替なので、そういう略し方も仕方がないのですが、分かりにくいネーミングだな、といつも思います。

 

外為法について更にいうと、外為法は法令の内容もかなり難しく、読み解くのが至難の業です。また条文だけ読めばいいというわけじゃなくて、外為法の場合、政令・省令だけでなく経産省告示や通達・ガイドラインも事実上法令の一部をなしています。結果、かなり複雑な構造になっています。税関法などの関係法令も含めると、輸出入規制を正確に把握するのは、現在困難な作業です。

 

話が少しそれましたが、法律名やその略称というのは、たまに紛らわしいもの、この分野の法律がなんでこんな名前なんだ、という法律も結構あります。ここの記事を読んで下さっている方が果たしていらっしゃるのか分かりませんが、機会があればご紹介します。